OpenClaw を Render にデプロイしましょう。Infrastructure as Code のアプローチで、付属の render.yaml Blueprint がサービス・ディスク・環境変数をまとめて宣言的に定義してくれます。ワンクリックでデプロイでき、インフラ構成をコードと一緒にバージョン管理できるのが強みです。

前提条件

Render Blueprint でデプロイ

Deploy to Render

このリンクをクリックすると、以下が自動で行われます:

  1. リポジトリのルートにある render.yaml Blueprint をもとに Render サービスが作成される。
  2. SETUP_PASSWORD の入力を求められる。
  3. Docker イメージがビルドされ、デプロイが開始される。

デプロイが完了すると、https://<service-name>.onrender.com というパターンの URL でサービスにアクセスできます。

Blueprint の中身を理解する

Render Blueprint は、インフラを定義する YAML ファイルです。このリポジトリの render.yaml には、OpenClaw の実行に必要なすべてが記述されています:

services:
  - type: web
    name: openclaw
    runtime: docker
    plan: starter
    healthCheckPath: /health
    envVars:
      - key: PORT
        value: "8080"
      - key: SETUP_PASSWORD
        sync: false # prompts during deploy
      - key: OPENCLAW_STATE_DIR
        value: /data/.openclaw
      - key: OPENCLAW_WORKSPACE_DIR
        value: /data/workspace
      - key: OPENCLAW_GATEWAY_TOKEN
        generateValue: true # auto-generates a secure token
    disk:
      name: openclaw-data
      mountPath: /data
      sizeGB: 1

Blueprint で使われている主な機能:

機能役割
runtime: dockerリポジトリの Dockerfile からビルド
healthCheckPathRender が /health を監視し、異常時に自動再起動
sync: falseデプロイ時に値の入力を求める(シークレット用)
generateValue: true暗号学的に安全な値を自動生成
disk再デプロイ後もデータが残る永続ストレージ

プランの選び方

プランスピンダウンディスクこんな用途に
Freeアイドル 15 分後利用不可テスト、デモ
Starterなし1GB+個人利用、小規模チーム
Standard+なし1GB+本番環境、複数チャンネル運用

Blueprint のデフォルトは starter です。無料プランを使いたい場合は、フォークした render.yamlplan: free に変更してください。ただし、無料プランでは永続ディスクが使えないため、デプロイのたびに設定がリセットされる点に注意が必要です。

デプロイ後の作業

セットアップウィザードを完了する

  1. https://<your-service>.onrender.com/setup にアクセス
  2. SETUP_PASSWORD を入力
  3. モデルプロバイダーを選び、API キーを貼り付ける
  4. 必要に応じてメッセージングチャンネル(Telegram、Discord、Slack)を設定
  5. Run setup をクリック

コントロール UI にアクセスする

ウェブダッシュボードは https://<your-service>.onrender.com/openclaw で利用できます。

Render ダッシュボードの機能

ログ

Dashboard → サービス → Logs でリアルタイムログを確認できます。以下のフィルターが使えます:

  • ビルドログ(Docker イメージの作成)
  • デプロイログ(サービスの起動)
  • ランタイムログ(アプリケーションの出力)

シェルアクセス

デバッグが必要なときは、Dashboard → サービス → Shell からシェルセッションを開けます。永続ディスクは /data にマウントされています。

環境変数

Dashboard → サービス → Environment で変数を変更できます。変更すると自動的に再デプロイがトリガーされます。

自動デプロイ

OpenClaw の元リポジトリをそのまま使っている場合、Render が自動デプロイすることはありません。更新するには、ダッシュボードから手動で Blueprint Sync を実行してください。

カスタムドメイン

  1. Dashboard → サービス → Settings → Custom Domains に移動
  2. ドメインを追加
  3. 指示に従って DNS を設定(*.onrender.com への CNAME)
  4. TLS 証明書は Render が自動でプロビジョニング

スケーリング

Render は水平・垂直の両方のスケーリングに対応しています:

  • 垂直スケーリング: プランを変更して CPU/RAM を増やす
  • 水平スケーリング: インスタンス数を増やす(Standard プラン以上)

OpenClaw の場合、通常は垂直スケーリングで十分です。水平スケーリングにはスティッキーセッションまたは外部ステート管理が必要になります。

バックアップと移行

設定とワークスペースはいつでもエクスポートできます:

https://<your-service>.onrender.com/setup/export

ポータブルなバックアップがダウンロードされ、どの OpenClaw ホストにでもリストアできます。

トラブルシューティング

サービスが起動しない

Render ダッシュボードのデプロイログを確認してください。よくある原因:

  • SETUP_PASSWORD が未設定 — Blueprint のデプロイ時にプロンプトが出るはずですが、念のため確認を
  • ポートの不一致 — PORT=8080 が Dockerfile で公開しているポートと一致しているか確認

コールドスタートが遅い(無料プラン)

無料プランでは 15 分間アクセスがないとサービスがスピンダウンします。スピンダウン後の最初のリクエストではコンテナの起動に数秒かかります。常時稼働が必要なら Starter プランへのアップグレードを検討してください。

再デプロイ後にデータが消える

無料プランでは永続ディスクが使えないため、再デプロイのたびにデータがリセットされます。有料プランにアップグレードするか、/setup/export で定期的に設定をエクスポートしてください。

ヘルスチェックの失敗

Render は /health から 30 秒以内に 200 レスポンスが返ることを期待しています。ビルドは成功するのにデプロイが失敗する場合は、サービスの起動に時間がかかりすぎている可能性があります。以下を確認してください:

  • ビルドログにエラーがないか
  • docker build && docker run でローカル実行できるか